アインシュタインの手紙

 

※大変感銘をうけたので、多くの人達に是非とも読んで頂きたいと思い転記させて頂きます。

 

  愛するリーゼル

お前の近くに居たことはないけれど、最後の出発(死)の前に、私の人生で最も価値のある発見をお前の手に委ねたい。

お前の誕生は、予期せぬ出来事で、あまりの責任の大きさと恐れのため分別を失ってしまった。

反応出来るようになった時には、もうすでに遅かった。死を目前にする今までお前の誕生を経験したことが、どんなに重要なことか気づいていなかった。

矛盾しているようだが、お前は、私について、別離と忘却だと思ってきただろう。

私は一度もお前のことを忘れたことはないし、毎晩暗闇の中で目を開けてお前の顔はどのようだろうと想像していたのだ。

 

しかし、間違いは、老いたときに、致命的で決定的なものとなる。私の行動によって感じた羞恥心が、長年にわたって、お前に連絡を取らせなかった。そして、結局遅すぎた。

私がちょっと風変わりな天才として有名なのをお前は知っている。あるものは、無神経であまり優しくなくて共感しない人間だと私のことを非難する。

 

しかし、時の経過によって、特にたった一つの公式E=mc2が想像もしたことのない、悪夢とも思える結果をもたらしたので、私は他者の痛みに敏感になってきたことを保証できる。

 

直接的に責任はなくても、私は残忍で不条理な人類の破滅に向けての競争の協力者であると感じている。それは、私が計画したものでもなければ、望んだこともないものだが、私の公式が高い破壊力を持つエネルギーを解放することを許してしまった。そして私の思考に変曲点を生み出してしまった。

 

公開されている沢山のインタビューによって、長年私が最後の答えを、つまり宇宙を支配するすべての力を統一するものを説明できる変数を探してきたことをお前は知っているだろう。

私は、物理学、形而上学、心理学、生物学、重力、光など我々が知っている全てを支配する根源の力が何であるのか理解したかったのだ。

 

長年、私は、統合した分野の理論を見つけるため戦ってきた。

今、結論に達することが出来たと言える。

 

今からお前に打ち明けることは、科学的でないと感じるだろうと思っている。

そして、この最後の手紙、お前を受取人とする私の形見は、沢山の人達を驚かし、私が完全に気が狂ったと思う人も沢山でるだろう。

ノーベル賞の受賞へと私を導いた発見だけでなく、一般相対性理論や特殊相対性理論と共に達成した多く承認も含めて問題にされ疑われるかもしれないと思っている。

なぜなら今から私が言うことは、まさしく物理学だけでなく科学全体の未解決の大きな課題だからだ。私の仮設を発展させるのに、常にとても気難しく厳しいと私について言うことから知っているだろう。

そのため私の人生の間、いいアイデアはとても少なかったと思う。

これらの最新のものを含めて、後で紙に書き移そうとした閃きと直感に由来していた。

お前の母親ミレーバは私の直感を数字と公式に具現化するための言語を見つけるのを手伝ってくれ、彼女に大いに借りた力のお陰で、私は高度で厳格で精密な課題に取り組むことが出来た。

 

 

   私が相対性理論を提案したとき、ごく少数の者しか私を理解しなかったが、私が人類に伝えるために今、明かそうとしているものも、世界中の誤解と偏見にぶつかるだろう。

必要に応じて何年でも何十年でも私が下に説明することを社会が受け容れられるほど進歩するまで、お前にこの手紙を守ってもらいたい。

現段階では、科学がその正式な説明を発見していない。

 

ある極めて強力な力がある。

それは他のすべてを含み、かつ支配する力であり、宇宙で作用しているどんな現象の背後にも存在し、しかも私たちによってまだ特定されていない。

この宇宙的な力は愛だ。

 

科学者が宇宙の統一理論を予期したとき、彼らはこの最も強力な見知らぬ力を忘れた。

愛は光だ。

それは愛を与えかつ受け取る者を啓発する。

 

愛は引力だ。

なぜならある人々が別の人々に惹きつけられるようにするからだ。

 

愛は力だ。

なぜならそれは私たちが持つ最善のものを増殖させ、人類が盲目の身勝手さのなかで絶滅するのを許さないからだ。

愛は展開し、開示する。

愛のために私たちは生き、また死ぬ。

愛は神であり、神は愛だ。

この力はあらゆるものを説明し、命に意味を与える。

 

これこそが私達があまりにも長く無視してきた変数だ。

それは恐らく、愛こそが人間が意志で駆動することを学んでいない宇宙の中の唯一のエネルギーであるため、私達が愛を恐れているからだろう。

 

愛に視認性を与えるため、私は自分の最も有名な方式で単純な代用品を作った。

「E=mc2」の代わりに、私たちは次のことを承認する。

 

世界を癒やすエネルギーは、光速の2乗で増殖する愛によって獲得することができ、愛には限界がないため、愛こそが存在する最大の力であるという結論に至った、と。

私達を裏切る結果に終わった宇宙の他の諸力の利用と制御に人類が失敗した今、私達が他の種類のエネルギーで自分たちを養うのは急を要する。

 

もし私たちが自分たちの種の存続を望むなら、もし私たちが生命の意味を発見するつもりなら、もし私たちがこの世界とそこに居住するすべての知覚存在を救いたいのなら、愛こそが 唯一のその答えだ。

 

恐らく私たちにはまだ、この惑星を荒廃させる憎しみと身勝手さと貪欲を完全に破壊できる強力な装置、愛の爆弾を作る準備は出来ていない。

しかし、それぞれの個人は自分の中に小さな、しかし強力な愛の発電機を持っており、そのエネルギーは解放されるのを待っている。

私たちがこの宇宙的エネルギーを与えかつ受け取ることを学ぶ時、愛しいリーゼル、私たちは愛がすべてに打ち勝ち、愛には何もかもすべてを超越する能力があることを確信しているだろう。

なぜなら愛こそが生命の神髄(クイントエッセンス)だからだ。

 

私は自分のハートの中にあるものを表現出来なかったことを深く悔やんでおり、それが私の全人生を静かに打ちのめしてきた。

恐らく謝罪するには遅すぎるが、時間は相対的なのだから、私がお前を愛しており、お前のお陰で私が究極の答えに到達したことを、お前に告げる必要があるのだ。

                             

 

お前の父親

アルベルト・アインシュタイン